
何年か前に、小学生の子供が給食中にアナフィラキシーショックを起こし死亡した悲しい事故がありました。
あの事故を教訓に、教師間でも食物アレルギーの知識を得ることが重要になってきています。アナフィラキシーショックは、食物アレルギーの中でも命に関わる重篤なアレルギー症状です。
食物アレルギーがある子供さんが、園や学校で安心して生活できるようになるため、教師も親御さんと共にたくさん知識を得るために動き初めています。
私の知る園では、「エピペン」という補助治療剤を親御さんから預かるということをされている所もあります。この補助治療剤は、子供の命を守る大切なもので、呼吸困難の症状がでている子供に対処するものです。
今回は、重篤なアレルギー症状のアナフィラキシーショックとは、どんな症状があるのかご紹介しましょう。
Sponsored Links
目次
アナフィラキシーショックとは?症状が現れる時間は?
アナフィラキシーショックとは、食物や薬・蜂毒が原因となるアレルギー反応です。
重症になると命に関わるアレルギー反応なので、よく理解して対処することが大事です。
アナフィラキシーショックが現れて心肺停止に至る平均時間は?
- 薬 約5分
- 蜂毒 約15分
- 食物 約30分
一概には言えませんが、アナフィラキシーショックは命に関わるアレルギー症状です。早めに対処することが重要になってきます。
すぐに救急車を呼びましょう。
アナフィラキシーショック・主な症状
- 多尿
- 呼吸困難
- 低血圧
- 失神(意識不明)
- 蕁麻疹(痒みを伴う)
- 血管性浮腫(咽頭の腫脹)
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
アナフィラキシーショックの症状は、全身に症状が現れます。患者さんの90%に皮膚症状がでてきます。その後、呼吸器や消化器に症状がでてきます。
症状には軽症・中等症・重症とあります。よく理解して対処することが大切になります。
アナフィラキシーショック・症状には3段階ある
アナフィラキシーショックの症状は多種多彩です。3段階の症状をよく理解して対処しましょう。
- 1:軽症
- 2:中等症
- 3:重症
以上3つの段階があります。
軽症の症状
- 皮膚→部分的に蕁麻疹あり・軽い痒みがある
- 粘膜→口唇と瞼のはれ。のどに軽い痒みあり
- 消化器→鼻づまり・くしゃみ・鼻水あり・吐き気や下痢
- 呼吸器→弱い咳がある
- 少し元気がなくなる
中等症の症状
- 皮膚→全身に蕁麻疹あり・強い痒みがある
- 粘膜→顔が腫れる・食べ物が飲み込みにくくなる
- 消化器→腹痛・嘔吐・下痢
- 呼吸器→咳がときどき連続して起こる・咳こむ
- 元気がない。すぐ横になる
重症
- 粘膜→声がかれる・喉、胸が締め付けられる
- 消化器→我慢できない腹痛・嘔吐下痢を繰り返す
- 呼吸器→呼吸困難・チアノーゼになる
- 意識がなくなる。失禁をする
アナフィラキシーショックは対処の仕方がとても大事になります。以上の症状をよく理解して対処をするようにしましょう。
アナフィラキシーショック・症状がでたときの対処法
アナフィラキシーショックは3段階にわけられます。
- 軽症
- 中等症
- 重症
軽症の場合は安静にさせ最低1時間は様子をみる
症状が比較的軽い場合は、抗ヒスタミン薬・ステロイド・気管支拡張薬吸入します。
症状が中等症や重症の場合は、エピペンを使います。
エピペンは、アレルギー症状の患者さんに処方される補助治療剤です。大腿部外側に針をさすものです。救急車を呼びましょう。
絶対にしてはいけないこと
重症になると多尿になります。トイレに行きたいと言っても動かせてはいけません。低血圧になっているので、横にならせて足を高くあげ、安静にさせて救急車を待つようにします。
子供の食物アレルギーを理解して受け入れることが大事
食物アレルギーを持つ親御さんは、お子さんの食べ物にとても敏感になっています。そのことを周りはよく理解してあげることが大事です。
食物アレルギーがあるので、幼稚園の場合はお弁当が必須です。毎日家事や育児で大変な上に、アレルギー疾患のあるお子さんは気管支喘息になるお子さんが多いです。
そのため、ダニや埃、いろいろなアレルゲンに対しても神経を使わなくてはいけません。そんなママさんの気持ちをよく理解してあげ、受け入れてあげることがとても大事になってきます。
食物アレルギーがあるからと差別化せずに、同じ子供として見守ってあげましょう。
まとめ
アナフィラキシーショックの症状は3段階あります。中等症や重症の症状がでている場合は、すぐに処方されているエピペンを打ち安静にして救急車を待ちましょう。
血圧低下がみられるので、絶対に動かしてはいけません。足を高くして、安静にすることが大切です。
アナフィラキシーショックの症状をよく理解して冷静に対処することが大切です。
Sponsored Links