医師でも難しい老人性うつ病見分け方

 

老人性うつ病は、老年期に発症するうつ病です。
 

定年退職を迎え、第2の人生を考え始めるころに、気分が落ち込むやる気が出ない夜眠れない食欲がわかないこんな症状が2週間以上続くようであれば、老人性うつ病を疑ってみましょう
 

子どもも巣立ち、早い人であれば孫に恵まれるなど、人生の新しいステージには新たな希望も生まれます。
 

一方で、早くに配偶者や親しい友人を失くすなど、老年期には喪失体験も重なり、精神的なダメージを受ける出来事も多い時期です。
 

老人性うつ病は、ライフステージにおけるこのような様々なイベントや加齢による体の衰えなどがきっかけとなって発症するといわれています。
 

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老人性うつ病の特徴

 
老人性うつ病も、基本的には若年期や壮年期のうつ病と同じように、
 
気分が落ち込む
やる気や意欲が出ない
夜眠れない
食欲がわかない
 
などの症状が見られます。
 

これ以外に老人性うつ病の特徴として、
 
不安や焦燥感を訴えることが多い
頭痛や腹痛など体のあちこちに痛みを伴う心気症状を訴える
 
ことなどがあげられます。
 

心気症状とは、身体的な異常は見つからないのに体の痛みなど体の不調を訴えることを言います。
 
これも老人性うつ病の大きな特徴のひとつです。
 

記銘力の低下
 
今言ったことや今やったことを忘れてしまうというのも老人性うつ病の特徴です。
 

老人性うつ病と認知症のうつ状態を見分ける方法は?

 
この老人性うつ病は、同じころに発症する認知症によるうつ症状と症状が近いため、区別がつきにくいことがよく知られています。
 

しかし検査方法や治療法が異なるため、この2つを混同してしまうことは治療の遅れにもつながります。
 

老人性うつ病と認知症のちがいを理解し、見分ける方法はあるのでしょうか。
 

まずは、うつ病と認知症で起きる共通の症状から見てみましょう。
 

うつ病と認知症、間違われやすい症状

意欲の低下
環境の変化を嫌う
新しい物事への適応力の低下
周囲への無関心
 
なるほど、と納得されている方も多いのではないでしょうか。
 

では、次にうつ病と認知症で異なる点についてみてみましょう。
 

うつ病と認知症ではここが違う!

病気の進行
老人性うつ病では、抑うつや不眠などの症状が突然現れ、激変するのに対して、認知症では症状はゆっくりと進みます。
 
初期の症状
老人性うつ病では、気分の落ち込みなどの抑うつ症状や体の痛みなどの心気症状があります。
認知症では、記憶障害や性格の変化、気分のむらなどがあげられます。
 
日内変動
老人性うつ病では、朝が最も調子が悪く夕方になるにつれて気分は良くなっていきます。認知症では、このような傾向はみられません。
 
妄想
老人性うつ病の妄想は、「疾病妄想貧困妄想過剰な罪悪感」の3大妄想があります。
「がんで死ぬのではないか?」「自分はもう何の役にも立たないのだから死んだ方がいい」などといった妄想に走ります。
一方認知症の場合、「お金を盗まれた」などと思い込む「もの取られ妄想」があります。
 
攻撃性
老人性うつ病では、攻撃的になることはありませんが、認知症では言動が攻撃的になることがあります。
 
物忘れ
老人性うつ病では、少し前に聞いたことや見たことを忘れてしまうなど、短期記憶に問題が生じますが、認知症では身近な人がわからなくなってしまう、自分の名前や職業を忘れてしまうなど基本的なことも覚えていません。
でも、認知症の初期の段階では老人性うつ病の症状と同じような症状もあり、区別が難しいところです。
 
そのほか
認知症では、恋愛やわいせつ行為などこれまでしなかった行為をしてしまうなどの逸脱した行動が見られます。
またうつ病では、自分を責めてしまう自責の念が強く出たり、物事を過大にとらえてしまったりします。
 

医師でも難しい老人性うつ病見分け方2

 

そろそろそうなってもおかしくない時期を迎える方やご家族にうつ傾向の方がいる方など、早期受診につなげるためにも、このような違いについては頭に入れておきたいですね。

 

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